TakaCine

細い目のTakaCineのレビュー・感想・評価

細い目(2004年製作の映画)
4.2
【恋するのに5秒もいらない】
大好きな『タレンタイム~優しい歌』のヤスミン・アフマド監督作品、それも"もうひとつの傑作"と言われたら観ないわけにはいかないですね😉♪

題して「マレーシア版ロミオとジュリエット」。

主演2人の初々しさと障害ありきの初恋物語にキュンキュンしながら観てました😁(おっさんですけどw)

韓国系などの甘いラブストーリーは気恥ずかしくて観られないけど、本作の恋愛模様はずっと観ていられました😊エヘ

〈親近感のある2人〉
だって、主演2人が凄く初々しくて可愛らしいから😚(美男美女すぎないのがイイ♪)

オーキッド役は、後のヤスミン映画の常連女優で当時は17歳のシャリファ・アマニ。生き生きとした表情が豊かで瞳が大きくて、すっごぉぉ~く可愛いらしかった😍♪

ジェイソン役は、不良少年風で素朴な顔立ちのン・チューセン。監督と同じ広告会社で働いていて、監督が上司だったことが縁で、オーディションを受けたんだとか。

2人とも本作が初出演。ホント初々しい‼️

それと、2人のキャラクター造形が面白いですね😊♪

オーキッドは金城武好きで(彼女のタンスが必見w)、アクション映画、ジョン・ウーの映画好き(お気に入りは『男たちの挽歌』)、男とも議論で打ち負かす勝ち気な女の子。真っ直ぐ相手を見る眼差しが印象的で凄く素敵ですね!

ジェイソンは、R・タゴールの詩集を読んだり、現実が暴力的すぎるから恋愛映画が好きだという優しい男の子。家が貧しくて、海賊版VCD(ビデオCD)を売って、チンピラまがいの生活をしています。

2人ともステレオタイプの男の子と女の子じゃなくて(男らしさ、女らしさを越えて)、意外な性格や個性が愛しくて堪りません。

〈分離された世界〉
『タレンタイム』と同じように、民族・宗教・言葉の違いによる諍いや差別、偏見・無理解・不寛容が作り出す分離された世界の苦しさを描き出します。

様々な障害に負けず、自分の気持ちを貫き愛し合う2人は、気持ちが良いほど潔いです。

そんな純粋な2人が普通に愛し合えない世の中が、非常におじさんは…悲しい!悔しい!本当に嫌いです😭(涙)‼️

本作でも、監督の平和への祈りを感じました。

『タレンタイム』でも印象的に流れた曲「O Re Piya(オー・レー・ピヤー/おお、愛しい人よ)」の歌詞を思い出しました。

"偏見にしばられた世界は僕の永遠の敵"

〈好きな場面〉
この映画が好きだ!と思った瞬間は、オーキッドのタンスの場面と恋に落ちた瞬間(一目惚れ)の場面ですねぇ😍💕

特に"時がとまってしまう"一目惚れの場面は、胸キュンポイントです(今回のレビューは女子っぽいので、悪しからずw)😉⭐⭐⭐⭐⭐

オーキッドの両親が好きだ!
ラブラブ具合が気恥ずかしい(笑)

ヤスミン映画の常連俳優が多数出ているのが、これまた嬉しいです(『タレンタイム』しか観てないけどww今年は3回観てます☺️)♪

〈蛇足〉
この監督さんの作品は、人の温もりや愛情や崇高な精神性を常に感じます。と同時に描かれる過酷な世界に、胸がジンジン苦しくなります。

人が優しく生きるためには、何があれば良いのでしょうねぇ…

さて、レビュータイトルにピンとくる方は、ドコモのポケベルCMを覚えてますか😉?

レビューを書いていて、なぜか、あの当時の広末涼子の歌を思い出しました😌懐かし~♪

「MajiでKoiする5秒前」

そう言えば、頑張ってリストアしてるけど、画質はあまり良くなかったかな。あと日本語字幕が白くて、画面の背景が白いと文字が溶け込んで、判別不能な時がありましたね😥でも本作を劇場で観られただけで満足です😌💕

最後にパンフレットに記載されていた文章で、レビューを締め括りたいと思います。

"真実の愛の存在を否定する者には、そんなものは存在しないと思わせておいてあげなさい。生きてゆく時も、死ぬ時も、そう信じてさえいれば、彼らも少しは楽になれるのです。"

(ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩の一節)
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