LEONkei

Lovely Rita ラブリー・リタのLEONkeiのレビュー・感想・評価

Lovely Rita ラブリー・リタ(2001年製作の映画)
3.0
家庭環境や学校と人間関係に悩乱し不安定でぐらぐらと揺れ動く思春期の時期は、檸檬や苺の様に甘酸っぱい恋をしたりハバネロの様に刺激的な大人の世界を求めたり自身の存在に暗中模索する。

オーストリアのウィーン郊外に暮らす平凡な家庭で育った静かな少女〝リタ〟はいつも不機嫌顔、考えるに檸檬ともハバネロとも違う柘榴の様な少女に思えた。

程よい酸味に優しい甘さは独特の味わいが有り主張しているようだが、実は様々な具材とも良く交わり控えめでも有る。

パックリと割った無数の種がビッチリ詰まった表面はグロテスクで、しかも皮には有毒な成分が含まれている恐ろしさ。

自分はあの柘榴の無数の種が苦手で見るのも悍ましく感じてしまうが、絞ったザクロジュースは好んで飲む。

一体何を言っているのか分からないでしょうが…。


全編デジタルビデオカメラで撮影し粗い画質は暖和で'80年代風でも有り、多少の手ブレや時折りのズームアップの顔にハッとさせられる。


思春期の頃は尚更自分のやりたい事が分からず、仮に見つかったとしてもそれが世間の常識とはズレるもどかしさ。

良かれと思ってしたことは自分がズレているのか世間がズレているのか…。

もし幸せが訪れ絶頂感に達したとき、少女の心理は恐ろしく悲しいが理解できる。

柘榴の種の数ほど悩みや尽きない..★,
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