さー

スラムドッグ$ミリオネアのさーのレビュー・感想・評価

スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)
4.0
クイズ・ミリオネアのBGMを聞くだけで緊張感がみなぎるテレビっ子(俺)

よくぞ120分にこの内容量を収めてくれた!さすが監督ダニー・ボイル。映像の疾走感と物語の重みを両立させる天才だわ。

原作も死ぬほど面白くて、もうこの「クイズ番組の問題と、ひとりの人間の人生をリンクさせる」っていうコンセプトが他の追随を許さないほど良くできてるのよ。ひとつの解答を知る背景には、想像を絶する過去がある…映画全体で見ると、後半にかけて徐々に失速していく感はあるのだけど、それもまた、大人になるとしがらみ多くて自由には生きられないという現実がにじみ出てて良い(ただのファン)

主要3人を、ちび子役・子ども子役・大人役の3人で演じてるのも、最近はあんまり見ないキャスティングで良かった。特にちび子役の目の輝きは本物だと思った。

本作は、社会問題を提起する作品というよりは、国の暗部に触れつつもあくまでエンタメの枠は出ませんよという印象で、私はそのアプローチで正解だと思う。それが功を奏して、今作は世界中の人々に届いたし、「まずは知ることから」を体現させたと思う。
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