囚人13号

十月の囚人13号のレビュー・感想・評価

十月(1928年製作の映画)
4.8
☆Say Yes 共産ビームで人民は皆ハッピーだ
手と手を取り合って労働の喜び分かち合おう

超絶左側に偏った社会主義称揚映画、しかし従来のモンタージュ理論一辺倒から脱却するかのように構図にも力が入っていたような。
逃げ惑う人々を捉える俯瞰ショット、等方向に向かっていた人間が突如入り乱れる様から民衆が一斉に立ち上がるという団結を意味する力強い運動の反復。

また『ストライキ』以上に糾弾する相手が明確かつ実際に達成された史実を神格化する内容であるため、証明済みの正義を叫ぶような力もどこかで作用していたと思う。
因みにビデオは1967年のサウンド版だったが、音を消せばたちどころに映像の不協和音が響き渡る。おかめ、ナポレオン、レーニン像、世界時計…。

エイゼンシュテイン映画においてはその誇張された顔面さえ見れば、内容を知らない人でもその人物が正義か悪なのか一目瞭然。
囚人13号

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