矢吹

恋の秋の矢吹のレビュー・感想・評価

恋の秋(1998年製作の映画)
4.0
40代の恋ということで、ロメールとしては、初めてなのか。そうらしい。それはそれで、少し気持ち悪いが、作品の良さとして、描かれるものは圧倒的に、人間であることは変わらず、キレキレのキラキラでギラギラのギリギリだ。ギリギリは嘘。弾んじゃった。

それぞれのいい大人の、価値観や、こだわり、守ってきたものや、守っている生活、やめたことや諦めたものが、前提として、ありありと見せつけられて、この瓦解か、籠城か、という、心臓一個分に詰まった40年の歴史の広大なドラマ。
そしてその大人の恋の中に、いつもの、子供の遊びが、入ってくるのは、やはりそのままゲーム性に富んだ素晴らしい脚本である。

プラスが現れて、子供も旦那も、去って、マイナスになるけど、ここにあるのは、また新しいゼロなのだ。そしてまたプラスとマイナスを繰り返す人生だ。

ワインの葡萄は、収穫の時期やタイミングで大きく左右する。その分、来年はどうこうって言えるし、彼女はまだ5年目なのだよね。また来年こうしようって考えて、決まりきった作り方をつづけるようになるのは、結婚みたいなもんですわ。
味を変える刺激と手間と孤独より、変えない気楽を取れるようになるかしら。彼女も、あなたも、私も。
エンディングの曲あれなんですか、教えてください。エンドロールがめっちゃよかった。
パーティと諸々な。
刺激的であった。流れもしてはかなりしっとりだったからこそだ。

私は常に、ロマンチックな方を選んできたのだ。というハゲ。まじで、便利なハゲだったな。
すぐ夜に会おうとするのも、絶妙に怪しくて結局普通にいいやつで、ちょうど素敵のハゲだった。ありがとう。フレンチ素敵おじさま。

お話し終わって、やっぱりよ、若い男が損をするのは、相変わらずである。男っちゅうのは、きっとそんなものなのさ。だからロメールは好きだ。
別に歳食った男も得をするわけではなく、自分の中庸をバランスよく取れるようになってやがる。まだ夢を見てる感じもする哲学教師だ。若い子と関わる仕事してる男あるあるなスタンスでもありますよね。めっちゃ嫌い。
レオにだけでも幸あれ。いつまでも夢を見て。
いやもうみんな、いつまでも季節を待ちながら季節を渡り歩きましょう。大人。ビバ秋。もう秋。
友情友情友情努力勝利だ。愛などいらぬ。結局そんな顔をするんだから、でも、そんな顔をできていることに、俺1人では勝ち目はない。
矢吹

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