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きっと ここが帰る場所のtelemarker2のネタバレレビュー・内容・結末

きっと ここが帰る場所(2011年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

プロデューサーに言われるがまま無反省に作りまくっていた暗い内容の曲に影響されて青年が自死したことを直接のきっかけとして歌をやめた元ポップスター、シャイアン(ショーン・ペン)は、アイルランドに居を移し、消防士の妻とその飼い犬と、大きな庭付きの邸宅で暮らしている。彼は鬱とも退屈ともつかない変な気分を感じながら、ダブリンに住む孤独な少女と孤独な青年をデートさせるべく奮闘しているが、30年のあいだ疎遠にしていた父の危篤の報せに触れ、アメリカへと船便で発つ決意をする(飛行機は彼に死の恐怖を与えるため)。
ホロコーストの生き残りであり、ユダヤ教徒としてのアイデンティティを強く貫いた父の葬儀には、同じく伝統的ユダヤ教徒のコミュニティに属するトーラー学者のような風貌の人々が多く集っていた。父は収容所で彼に個人的な屈辱を与えたナチ将校ゾルゲを探しており、父の日記にはその手がかりとなるスケッチが残されている。シャイアンは父の遺志を継いでゾルゲ探しに出かける。その道中、トーキング・ヘッズのライブに行ったり、育ちの悪い音楽関係者から車を借りたり、その車のボンネットから出火させちゃったり、「未来」と名乗る青年が置いていったデモテープをカーステレオで聞いたり、無口なネイティブ・アメリカンのヒッチハイカーを拾ったり、苦痛を与える銃を買ったり、キャスター付きバッグを発明した男(ハリー・ディーン・スタントン)から重要な情報を得たり、パティが焼きすぎのチーズバーガーを食べたり、ロックの歴史を開陳したりする。シングルマザーのぽっちゃりした息子がタイトル曲を歌う場面がいい。
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