アン

生きるべきか死ぬべきかのアンのレビュー・感想・評価

生きるべきか死ぬべきか(1942年製作の映画)
3.9
招かれないのに来た客は、帰るときにいちばん歓迎される。(ヘンリー8世より)
こんなに面白い作品を観ていなかったなんて、なんとなしに観た作品が!("With a casually watching this, what a joy comes!" ボクの脳内グローブ座からの引用)

非常によくカリカチュアされた物語で、ヘイズ・コードによる制限が逆に作品の質を高めているようにも感じました。

ハムレットの中で扱われる、偽装と演技、権威への抵抗、それに愛情というテーマがうまく作品に落とし込まれていました。
人の出入りの激しさと、役者のスイッチで作中の登場人物だけでなく、視聴者までもが笑ってしまうほど混乱するストーリーテリングは現代でも十分に通用してしまう力強い一貫性を生み出していました。ルビッチ監督は計算高いことがよくわかる作品でした。単純明快な話にここまで笑いを盛り込み、カタルシスを用意するのは並の手腕ではできません。
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