唯

パルプ・フィクションの唯のレビュー・感想・評価

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
4.1
裏の世界に生きる者の、真っ当な倫理観と義理人情の格好良さ。
それこそ、タランティーノの美学とするところであり、憧憬したものだろう。

度胸と自信と余裕を手にして初めて、挑発的でドキッとさせる色気を纏うことが出来る。
陰のある人間の色っぽさと艶っぽさは、画になる美しさ。
男を弄びたいし、男に弄ばれたい。

無茶苦茶でぶっ飛んでいて、でも、だから、笑える。
何でも度が過ぎると笑ってしまうものなのかも。
ギリギリの極限状況は、人を刺激的にハイにする。
スリルと快楽とは、いつだって紙一重。

殺し屋でありながら、女の前では狼狽えてタジタジなトラボルタが女心をくすぐる。
この、絶妙なダサさと圧倒的男らしさとの塩梅が絶妙。
サタデーナイトフィーバーをもじった?ダンスシーンは、彼へのリスペクトか。
ファビアンも可愛かったなあ。

風呂敷を広げての伏線回収が、毎度ながらお見事で爽快。
ああ、今すぐもう一度見たくなる。
唯