れれれざうるす

悪魔の植物人間のれれれざうるすのレビュー・感想・評価

悪魔の植物人間(1973年製作の映画)
3.0
人間と植物を融合させれば食料とかいらないし将来的に地球すごくね?と思い立ち、要するに奇形にする、奇形は作れる♡でお馴染みノルター教授が大学の生徒を植物人間にしたりトカゲ女(失敗作)にしちゃう。
のが話の大筋なのだが、顔が腫れ上がった醜男リンチや見世物小屋の愉快な仲間達の物語の方が圧倒的に素晴らしい。フリークス一座は特殊メイクではなく全て本物の奇形の方々。小人の人達が集まるとシルバニアファミリーみたいでとてもかわいい!

醜男がフリークス一座に「お前らと一緒にするな」と突き放してるけどみんなは「生まれたことを後悔」って言葉を笑ってあしらうほど楽しそうだし、自らを幸福な家族と言うほど世間の目を気にしていない。
しかし醜男はそうは思えず、娼婦にエロい要求ではなく「ただ一言 “愛してる” と言ってくれ」と要求って…切ない。泣ける…。

話が逸れるけど世間はハゲてる人をネタにしたりそういった芸風で笑ったりしてるけど、見世物小屋の人達が自虐してるのを観客は笑って拍手をしてるのは同じことだと思う。ここまで(ハゲ)はいいけどここから(奇形)はダメと無意識に何故か線引きしてるけど、当人達が気にしていなければ差別じゃなくなる。
むしろタブーとされて公の場に出てこさせないことや目を背けることの方が差別なのではないか。
美しい者だって醜い部分はあるし、醜い者だって美しい部分はいくらでもあるのではないか。
(こんなけ語っといて何ですが、映画に全くそんなテーマはないです。)

トカゲ女と植物人間にされた2人がどう考えても可哀想だけど、見るに堪えないビジュアルの気持ち悪さ。好き。
植物人間は被害者な訳だから人間を襲いまくる訳ではないし、ホラーとしては正直微妙。マッドサイエンティストな設定は魅力的なのに何処か惜しい。
どうせなら植物人間が人間を食べまくるけど奇形だけは食べないみたいなアカンやつやってほしかったな(最低の発想)