健一

48時間の健一のレビュー・感想・評価

48時間(1982年製作の映画)
4.0
今、目の前に38年前の本作のフライヤー(チラシ)がある。
裏をめくるととても面白い事が書いてある。
『エディ・マーフィーの名前は記憶にとどめておいたほうがいい。この作品がデビュー作でありながらベテランのニック・ノルティと五分に渡り合う。今🇺🇸では彼の2作目も大ヒット!』
こう書いてあるようにエディ・マーフィーの記念すべきデビュー作なため 公開前は当然の事ながら誰もエディの事を知らない。
チラシにもニック・ノルティが デカデカと写っているが エディは顔が(暗くて)分からない程 小ちゃめ。
今となって本編やチラシを見返してみると とても興味深い。

服役中の凶悪犯人が看守を殺して脱獄。
犯人に相棒を殺された刑事ケイツは かつて犯人の仲間で服役中のレジーに目を付け48時間の仮釈放を取り付け 自分のパートナーにする。
二人の間には手錠があったが やがて友情が交わうようになる。
48時間のタイムリミットは刻々と進む。犯人が脱獄した目的は? 凸凹コンビの運命は?
犯罪の街サンフランシスコに血と銃弾が飛び交う!

公開時のキャッチコピーは
『俺たちの間には手錠はいらない。』
むか〜し ハリウッドで一時流行したスクリューボールコメディの男同士バージョン。
堅物刑事と服役中の口が達者な黒人という 何もかもが正反対な二人をくっ付け しかもタイムリミットまで設けるという 当時としてはかなり斬新なアイデア。
それでいてちゃんとポリスアクションとしても成り立っているという とても完成度の高い娯楽作。
今となってエディ・マーフィーひとりの力でこの作品を成功に導いたかのように語られているが 決してそんな事は無い。
精密に練られた脚本、ウォルター・ヒル監督のアクション魂、当時 日本での知名度は低かったが アメリカでは大スターだったニック・ノルティのタフガイぶり。
これらの優れた才能に ひょっこりと 口八丁手八丁 の黒人コメディアンが 乗っかってきた だけなのだ!
確かに本作のエディのエンタメぶりは素晴らしいが 彼ひとりだけの功績ではない事を 分かっていただきたい。(すいません。ニック・ノルティ推し30年なので!笑)

とにかくバディモノとしても刑事モノとしても 男臭〜い作品。
恐らくそこが40年近く経っても 今の おじさん達にウケる理由なのかも。でもって堅苦しくなく 尺もお手頃。好きな要素がたくさん詰まってる。
深く考えず素直に楽しんでいただきたい。
健一

健一