CharlieZG

錨を上げてのCharlieZGのレビュー・感想・評価

錨を上げて(1945年製作の映画)
3.6
週末はミュージカル
今回は若くて細身のシナトラとケリーの共演が見られる「錨を上げて」


寄港休暇水兵2人の恋愛コメディ・ミュージカル。

マーチの有名曲で冒頭こそ空母艦上式典から始まるが中身は戦争とは無関係の恋愛ドタバタ劇。
当時のMGMの半端なくお金をかけた精巧なセットに、ウットリするシナトラの歌とソプラノ技巧を聴かせるグレイソンの歌と安定のタップを見せるケリーを堪能出来る。
そして俳優は副業というスペインの音楽家ホセ・イトゥルビが本人役で卓越したピアノプレイを聴かせるのも見所。
少女とケリーが踊るメキシカン・レストランの店前広場の雰囲気も暖かで良かった。

それから何と言っても驚きはアニメーション合成!「トムとジェリー」のジェリーとケリーがダンス共演。これが単なる合成ではなく音楽に合わせて寸分の狂いもないコンビネーション・ダンスとなっているから恐れ入る。床面にはジェリーの影も・・・1945年という時代を鑑みても手の込みようの凄さに圧倒された。

1945年というと日本では本土空襲から遂に原爆投下でボロボロとなり終戦を迎えた年。
その頃こんな優雅な映画を作れたアメリカの国力と豊かさには改めて感服する。

シルエットや反射を上手く利用したカメラ演出も粋。
ストーリー云々よりもエンタメとして楽しめる作品。
面白かった。


監督 ジョージ・シドニー

キャスト
ジーン・ケリー
フランク・シナトラ
キャサリン・グレイソン
ホセ・イトゥルビ
ディーン・ストックウェル
パメラ・ブリットン
ラグス・ラグランド
ビリー・ギルバート
ヘンリー・オニール
カルロス・ラミレス
エドガー・ケネディ
グラディ・サットン
レオン・エイムス
シャロン・マクマナス
ジェームズ・フレイヴィン
ジェームズ・バーク
ヘンリー・アルメッタ
チェスター・クルート
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