こぅ

裸足のクンフー・ファイターのこぅのレビュー・感想・評価

4.4
香港映画界の巨匠、
ジョ二ー・トー監督による、幻の【クンフー・アクション】。

脚本は、
【エレクション】シリーズ、【ザ・ミッション】【ドラッグ・ウォー】他ジョニー作品常連のヤウ。

ジョニー監督の手腕は、
ノワールに限らず、クンフーを撮らせても卓越していた‼︎


自分の名前も書けないくらい学がなく、唯一の取り柄はクンフーというクワン(アーロン・クォック)が、勤め先の工場とライバル工場の争いに巻き込まれていく…。


冒頭、
右も左も分からない裸足のクアン登場。
神対応のパク社長(マギー・チャン)は、天使にしか見えない。
亡き父の弟子だったデュン(ティ・ロン*)の会社を訪ねる。
語学の教師、ワー(ン・シンリン*)とひょんな出会いをする、、

善対悪、
陰謀(利用)、金欲、裏切り、報復、人情、凡百のクンフー作品よりもドラマパートが濃密に描かれていて、ジョニー監督、流石‼︎と言わざるを得ない。
また、デュンとパク社長の 淡い恋の行方 や、クワンとワーのやり取りもしっかりと描かれている。
ベタベタのラヴに持っていかないのもジョニーらしい。
各キャラも活きていて、主役を立たせた上に主要キャストの印象もしっかりと残す配分だ。
間に挟まれるアーロンのアクションはシャープで、カメラワーク、編集も良く、スロー&ワイヤーも要所要所で駆使してダイナミックに演出。
名武術指導は、ラウ・カーリョン。

中盤までのドラマが後半に 帰結 してくる。

雨に濡れた紅が血のように滲む、デュンの運命を暗示する、、

◯を盛られても、
クライマックス前の壮絶なるクライマックス、主役のクワンを喰った印象のデュンは、もう1人の主役‼︎

クライマックスは、
裏切られたクワン、怒りのリベンジステージ。


泣けるクンフー映画⁈
との謳いの検証結果は、、泣けた。


ラスト、
主役、クワンに対する対応は塩。
オチは、
準主役のデュンが、、あんた、残したね〜
社長のラストセリフは 不要(蛇足)。

前半コミカルではあるが、
普通にヘヴィなストーリーで、クワンの学の無い、屈託の無い 爽やかスマイルイケメンキャラ もあるが、ブルース、ジャッキー作品のような湿っぽさが無いジョニー監督のドライな作風は好感。
観終えて後味が悪くないのだ。
トータルバランスに優れたクンフー映画の秀作で、【ザ・ミッション】共々早急に【再販(レンタル)、Blu-ray化】すべき逸品‼︎


*注記
*ティ・ロンは、【酔拳 2】でジャッキーの新パパ役でお馴染み⁈

*ン・シンリンは、上戸彩激似⁈
こぅ

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