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顔のakrutmのレビュー・感想・評価

(1957年製作の映画)
3.0
過去の秘密を知っている男性に怯えながらも人気ファッションモデルに成り上がっていく一人の女性を描いた、大曽根辰夫監督のサスペンスドラマ映画。松本清張の短編小説『顔』を原作としながらも、主役を男性から女性に変えるなど、大幅に脚色されている。

松竹と専属契約を結んだ岡田茉莉子を主演とするために原作を大幅に変えたそうであるが、これが完全に失敗していると言わざるを得ない。有名になって顔を売りたいけどある人物には顔を知られたくないという、原作のタイトル「顔」に込められている意味がストーリー上のの重要なポイントなのにも関わらず、本作ではそれが上手く使われていないのである。顔のアップを多様する演出そのものは悪くないし、岡田茉莉子の演技はそれに十分に耐えうるのだが、それは「顔」の意図ではないだろう。ストーリーもグダグダな上に、ちょっと昔の韓ドラかよと思える結末の出来事などは思わす笑ってしまう。結局、せっかくの岡田茉莉子が無駄になっていて残念である。
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