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年上の女のtakのレビュー・感想・評価

年上の女(1958年製作の映画)
3.5
イギリスが階級社会であることは知っていても、なかなか現実はわからない。野心家の主人公を通してその実態が伝わってくる。それだけに注目するとジョージ・スティーブンス監督の「陽のあたる場所」と似たようなテーマではある。しかし、法廷でのやりとりをクライマックスに持ってきた「陽のあたる~」は、映画としての見せ場を心得たよき時代のハリウッド映画らしい作風なのに対して、「年上の女」はあくまでもシビアに人間を見つめつづける。

アリスを愛していたと気づいた後の主人公ローレンス・ハーヴェイの葛藤、そして彼女を失った後の苦悶を、クレイトン監督はこれでもか、とみせてくる。そして、年下の男性との恋愛に身を焦がすシモ-ヌ・シニョレが悲しくも美しい。
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