エリオット

地獄の英雄のエリオットのレビュー・感想・評価

地獄の英雄(1951年製作の映画)
4.3
もっと昔の作品かと思っていたら、「サンセット大通り」より後だったビリー・ワイルダーの社会派作品

カーク・ダグラス演じる落ち目の新聞記者チャールズ・テイタムは田舎の新聞社に勤めながら再起を狙っていたところ、偶然、落盤事故で生埋めになった男レオの存在を知り、その記事を書くことを利用して都会の大手新聞社に復帰しようと企む

他人の不幸は蜜の味よろしくその記事を読んだ読者たちは現地に群れをなして集まり一大レジャーランド状態に
チャールズにとってレオは「ACE IN THE HOLE(洞穴の中の切り札)」であり、大手新聞やラジオ局も駆けつけ、チャールズは「地獄の英雄」になっていく

そんなある意味喜劇的な状況が後半どんどん悲劇的な状況になっていくなかでビリー・ワイルダーはジャーナリストの野心と倫理や大衆の愚かさをかなり真面目に描いている

当時は当たらなかったらしいが、今見てもそのテーマは全然古びておらず、また、事故現場の入口の看板が映るたびにそこに書かれた入場料の値段が上がるところなどこの監督らしいシーンもあって見逃すにはもったいない作品
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