昼行灯

巴里祭の昼行灯のレビュー・感想・評価

巴里祭(1932年製作の映画)
4.0
ハー良 詩的レアリスムの哀愁溢れるロマンスばっか見てた感じあるけど、こういう笑いありときどき涙ありみたいなロマンスありですわ

提灯?や足の形態類似ショットが続き、この形式が本作の形式上の主題なんだと思わせた上での、ジョンを呼ぶ2人の声をショットの繋ぎに用いるアイデアすごすぎ。今となっては定番かもしれんが、トーキー化してから5年くらいで音の類似ショットを生み出すのはやばい しかも単なる形式上の問題だけじゃなくて、そうすることで主人公の恋愛対象が変化してしまったこと、アンナの声はもうジョンには聞こえないことという物語性にも関わってしまうという。映画にしか出来ん表現よ

パースペクティブに違和感のあるセット?も、現実じゃない2人だけの世界感があってよい。2人は道を挟んで暮らしてるけど、アンナを捉えるカメラがズームの長回しをしたり、アンナの視点ショットかと思われるショットで、急に不自然な動きをしてみせたり、その距離を忘れさせるカメラワークが面白かった。窓越しに外を覗くカメラなんかも小気味いい。

最後、平行に並んで暮らしてて、しかも途中で離れ離れになってしまう2人が道の真ん中でぶつかってハッピーエンドなの観てて嬉しかった。お笑いシーンで関係ない大衆が2人見て笑ってるのも賑やかで楽しい。
アンナの髪型真似したいけど直毛には難しいか─────。
昼行灯

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