もめん豆腐

青い春のもめん豆腐のレビュー・感想・評価

青い春(2001年製作の映画)
3.7
永山絢斗さんが影響を受けた映画だそうで。中学高校でくすぶってる男子が観たら「うお〜!」ってなるんだろうな(語彙力)。50女、ヒリヒリ感だけはわかる。芸術ってある年齢限定の危うい感覚がないと理解不能な作品があって、そういう時に悔しいなと感じる。10代ギリギリで観た『ベティーズブルー』も観た直後は号泣だったのに、ものの数年後に観たら「はあ?」ってなった時の、あの哀しさったら。その年齢層独特の感性ってあるよね、きっとそれ。
世間的には高岡蒼佑さんはアウトっぽいみたいだけど、あてくしはこの人の役者としてのお仕事を高く評価してる。世の中がなんと言おうといい役者だったよ。いろいろあったみたいだけど、また復帰すればいいのに。
本題。これって松田龍平さんが主役だと思ってたんだけど、真の主役は新井浩文さんってことでOK?とんでもない高校にいるとんでもないアオハルが、ピッタリ合致してる。勝手な想像だけど、九條と青木は友達の体を取ってるけど力関係が違うと感じた。力というか、もう少し丁寧に説明すると青木側が九條に“憧れ”に近い“恋心”を抱いていて関係性が=ではない気がする。しかし九條側は=の友達だと思っている。子供の頃の声だけの回想シーンでも伝わる。その歪さに≠を感じるから、この二人は友達ではないと推察する。青木は九條に性愛的な好きとは違うけどそれに近しい感情の憧れを煮詰めた好きが、煮詰まりすぎて「馬鹿にしやがって」と反旗を翻すことになったんだと思う。どうでもいい相手だったら忘れてしまうか相手にしないを選択するけど、青木は“好き”の反対の“憎む”に走ったところをみると恋心はあったと思うな。憎い、妬ましい、だけど、好き。殺してやりたいけど、殺せないから生還する気のない拍手の回数を上回って自らいなくなることにしたんだと思った。強烈なメッセージを九條に叩きつけて。
ポンコツとしてはちょっと登場人物が多くて、ついていくのに難儀はした。若き日の又吉さんや三浦誠己さんが出てるらしいから何度も確認するのも面倒だった。高校生の話なのに学校以外の家庭の描写がないところは、ポンコツとしてはありがたかった。これで家族関係まで描写されてたら脳がヒートするところだった🌋
ところで、神奈川出身としては、小泉今日子さんが出てるところにリアル底辺高校がはまってて笑えた。彼女、地でやってるよね。
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