ストレンジラヴ

善き人のためのソナタのストレンジラヴのレビュー・感想・評価

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)
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思わず唸ってしまう。
途中やや「うーむ、これはハズレを引いてしまったか?」と思う場面もあったが、後半から怒涛の引力で一気に引き込まれていき、最後には唸り声を上げながら観ていた。
とにかく「静」のエネルギーでの表現に徹した渾身の作品。そしてシュタージの恐ろしいこと。
だが、ヴィースラー大尉が監視対象に惹かれていく背景・監視対象が使用していた薬物が何だったのかはもう少し強めに描いた方がいい(少し分かりづらい)。

それを差し引いても良作。
「これは他人に勧めますか?」と訊かれれば、「いいえ、私のための作品だ」と答える。