🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-446 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-578

🖋これぞ映画！！という作品ですね。『ベン・ハー』同様、230分超えの長尺ですが、全く時間を感じさせないエンターテイメント性そしてスペクタクル、そして脚本も原作が『旧約聖書』という揺るぎないものであるから文句のつけようもありません！！

🖋そしてCG技術のない時代に描かれた、紅海が割れ、その中をモーセとヘブライの民が海の中を進むクライマックスシーンはあまりに有名。子どもの頃テレビで齧り付くように観てたのを思い出します。アカデミー賞視覚効果賞受賞も納得！！

🖋製作・監督はセシル・B・デミルで、自身が23年前に制作した作品のセルフリメイクになります。デミル監督自身、本作公開3年後に亡くなったため、遺作になる作品なんですね。。。主演陣はチャールトン・ヘストン、ユル・ブリンナー、この2人の義兄弟の確執に包まれた物語も見どころのひとつです。

🖋今では考えられない製作準備に10年も費やし、多くのキャストで、作り手の神への想いと熱意が伝わってくる作品です。ほんとこれぞ映画！！ですね。

😌Story:（参考: Amazon）
今からおよそ3000年前のエジプト。ナイル川で拾われ、エジプト国王の王子として育てられたモーゼ（チャールトン・ヘストン）は、王の実子ラメシス（ユル・ブリンナー）の罠にはまり、砂漠に追放。しかし、やがて彼は神の啓示を受けて奴隷解放を決意し、彼らを連れてエジプト脱出を企てる。

🔸Database🔸
・邦題 :『十戒（1956）』
・原題 :『The Ten Commandments』
・製作国 : アメリカ
・初公開 : 1956
・日本公開 : 1958/03/15
・上映時間 : 220分
・受賞 : 第29回アカデミー賞
視覚効果賞
・監督 : セシル・B・デミル
・脚本 : イーニアス・マッケンジー、ジェシー・L・ラスキー・Jr、ジャック・ガリス、フレドリック・M・フランク
・原作 : ※※※
・撮影 : ロイヤル・グリッグス
・音楽 : エルマー・バーンスタイン
・出演 : チャールトン・ヘストン、ユル・ブリンナー、アン・バクスター

🔸Overview （参考:映画. com）🔸
旧約聖書の「出エジプト記」を壮大なスケールで映画化したスペクタクル史劇。ハリウッド創成期の巨匠セシル・B・デミル監督が、1923年に手がけた「十誡」を自らリメイクした。エジプト王ファラオは救世主の誕生を恐れ、新しく生まれるヘブライ人の男児をすべて殺すよう命じる。難を逃れるためナイル川に流された赤ん坊は王女に拾われ、モーゼと名付けられる。モーゼはエジプト王子として立派に成長するが、王の実子によって出自を暴かれ、砂漠へ追放されてしまう。やがて神からの啓示を受けたモーゼは、奴隷となったヘブライ人の解放を求めてエジプト王と対立する。1957年・第29回アカデミー賞で特殊効果賞を受賞した。

• #死ぬまでに観たい映画1001本

モーゼの出生からヘブライ人奴隷を率いてヨルダン川に辿り着くまでを描いた壮大な歴史絵巻。
チャールトン・ヘストンが主演、ユル・ブリンナーらが共演、アン・バクスターとイボンヌ・デ・カーロがWヒロインを演じる。　　

エジプトの奴隷であるヘブライ人に一人の男の子が生まれた。エジプト王ファラオは、奴隷の救世主が誕生したことを側近から伝えられたため、ヘブライ人の男の赤ん坊をすべて殺すように命じる。難を逃れるためにその子は母親によって籠に入れられてナイル川に流されるが、たまたまエジプトの王女に拾われ、モーゼと名付けられて王女の子として育てられる。成長したモーゼは南部軍団の司令官としてエチオピアを倒し、都の建設にも才能を発揮して、王から信頼を得るが....　　

旧約聖書の”出エジプト記”を中心に描かれており、海が二つに割れて道ができる有名なシーンなどもある。
CGがない時代に多くの人を動員しての実写映像が圧巻で、当時の特撮が味わい深い。
エジプトの巨大な石像や宮殿に加えて衣装なども見ごたえありました。
チャールトン・ヘストンとユル・ブリンナーの競演も素晴らしく、ヒューマンドラマとしても楽しめた。
3時間を越える大作ですが、最後まで集中して観ることができる佳作です。　

2023.9　NHK BSPで鑑賞（字幕・桜井文）　　
第29回アカデミー賞で特殊効果賞を受賞（1957年）

• #南部軍団の司令官
• #エチオピア
• #シナイ山
• #7人の娘
• #羊飼いの杖
• #紅海
• #黄金牛の偶像崇拝
• #十戒
• #40年の放浪

【圧倒的なスケールで描く出エジプト】97点
ーーーーーーーーーーーー
監督:セシル・B・デミル
製作国:アメリカ
ジャンル:歴史
収録時間:232分
ーーーーーーーーーーーー
大傑作。4時間近くに及ぶ超大作なので敬遠していましたがついに鑑賞しました。「十戒」て何？と思われる方からすると入りづらいかもしれませんが、およそ60年前に作られたとは思えない圧倒的なスケールで描かれています。エキストラの量も半端なく、『イントレランス』を製作したD.W グリフィスもこれを見たら度肝を抜かれるのではないでしょうか。
今作と『ベンハー』は間違いなくチャールトン・ヘストンの代表作と言えるでしょう。個人的には僅差でこちらの方が好みかもしれません。なお、あわせてリメイク作である『エクソダス 神と王』についても簡単に後述します。

時は紀元前13世紀。エジプト王であるセティ1世から寵愛されていたモーゼは、実は奴隷のヘブライ人であった。同士であるヘブライ人たちが奴隷にされてることに不満が溜まってきたモーゼは謀反を起こそうとするのだが。。

『旧約聖書』の「出エジプト記」を映画化したものと思って良いでしょう。『旧約聖書』に関してはまともに読んだことがないため、どこまで史実に沿っているか微妙なところですが、今作に思い入れのあるセシル・B・デミルは製作にあたって入念な研究をしたようです。実は、彼はおよそ30年前にも同じタイトルの作品を製作しています。そちらは未見ですが、古代編と現代編に分かれるそうでして、非常に興味深いです。今作は4時間まるまる古代編であり、セティ1世がモーゼを寵愛しているところから、セティ1世の子であるラムセス2世との瓦解、十の災い、そしてあまりにも有名な出エジプトまでを描ききっています。これを大作と言わず何と言いましょうか。いわずもがな、終盤の海が割れるシーンは今見ても鳥肌が立ちます。CGがない時代に、よくこんなものを製作しようと思ったな！と感心するばかりです。

劇中に登場するラムセス2世は齢90まで生き、子どもが100人以上もいたというとんでもないファラオであり、古代エジプト史においてもかなり有名な人物です。しかし、モーゼとラムセス2世が本当にこのような関係だったかは史実的には不明であり、そのあたりはフィクションと思って結構かと思われます。もっとも、十の災いや紅海が割れる話などはあくまで神話の域であり、事実かどうかを検証すること自体が烏滸がましいかもしれませんが。。
モーゼは後に神から「十戒」を授かります。それまで偶像崇拝が当たり前だったエジプトに偶像崇拝禁止という掟を広げます。宗教論について話をするとキリがないので伏せますが、やはり人間は何かに縋る時、必ずその「対象」となるものを持つのが普通です。したがって、この十戒を授かった時、偶像崇拝禁止というのがいかに特殊であったかということがわかります。今ではアブラハムの宗教と言われるユダヤ教、キリスト教、イスラームは偶像崇拝禁止であるためその考えは浸透していますが、当時からすると考えれない概念だったでしょう。

目が肥えてしまった現代の目線からすると、確かに迫力に欠けるシーンもあるでしょう。今作を大傑作とみなせるかどうかは紅海が割れるシーンに感動できるかどうかにかかってるかもしれません。そのためにはある程度の予備知識を入れておいた方が良いかもしれません。僕もそんなに詳しくないですが、最低限でも世界史のこのあたりの知識やモーゼについて知ってから見ると、大きな感動を得れると思われます。

ちなみに、二年ほど前に公開された『エクソダス 神と王』もモーゼの出エジプトがメインの話です。しかし、やはり今作と比べられるのか、はたまた何も知らない人が見て意味がわからないと思われたのか、頗る評価は低いようです。僕は今作に対して3.8をつけていますが、今でも変えようとは思いません。だって、普通に面白かったからです（笑） しばしば大作のリメイクは厳しい目線で見られますが、これはこれで素晴らしい要素があったと思います。特に十の災いの描き方に関してはかなり秀逸でして、CGが一般化した今だからこそ描けた名シーンだと思っています。しかし、恐ろしいことに紅海が割れるシーンは『十戒』の方が素晴らしいです。もうこれは技術というよりインパクトなんでしょうね。確かに今作と『エクソダス 神と王』を比べたら、今作に軍配をあげなければなりませんが、だからといって『エクソダス 神と王』が駄作ということではありません。21世紀の技術で作り上げた新たな「出エジプト」として評価されるべきでしょうね。

歴史好きや宗教に関心のある方はもちろん、骨太の映画を見たい方にもオススメできる大傑作であります。アカデミー賞には縁がなく、特殊効果賞しか受賞してない模様。今で言う視覚効果賞にあたるものでしょうか。納得の受賞です。

• #tmy整理150分以上
• #tmy整理歴史
• #tmy整理『死ぬまでに観たい映画1001本』掲載作品
• #文句なし傑作
• #tmy整理アカデミー賞