このレビューはネタバレを含みます
月という孤独な環境&短命クローンの労働っていう、テーマとしては非常に重い内容なのだけど、意外にも映画としての味付けはアッサリ。
AIロボットがけっこう素直だったり、サムの物分かりがずいぶん良かったり。
月にしては重力がちゃんとあるように見えたから、『そもそもココ月じゃなくて、地球のどこかで監禁された状態なんじゃないか』と思ったけど、それは自分の深読みなだけだった笑
最初にクローン設定が出た段階で、量産されたクローンがいるんだろうな、妻からのビデオメッセージは嘘なんだろうな、家族の元にはオリジナルのサムがいるんだろうな、っていう予想はついてしまうから、そこまでインパクトのあるストーリー展開ではないのだけど、決して退屈する映画ではなかった。
映画の時間も100分切っているし、時間配分や演技演出も良かったからだと思う。
サムが見た女性の幻覚っていうのは、オリジナルのサムが見た現実が、スピリチュアル的なところでクローンとリンクして見えたのかなって解釈しました。
冒頭でも書いたけど、テーマ自体は激重。クローン人間を主人公とした物語の扱いっていうのは、現実でもいつか問題になってくることだろうし、クローンを元にした搾取っていうのは、映画のメッセージとしてはこれからも注目していくべきだなって思えた。