このレビューはネタバレを含みます
何故か中古CD屋で今作のサントラ盤をよく目撃したがなかなか本編をお目にかかれてなかった。これはSFというよりむしろ誇張した90年代なのだろう。それは本筋に関係ない衣装装飾キャラクターという余剰に表出している。虚構の中の2000年到来を祝う映像を見て、ああ今の21世紀はここから始まったんだと思い込むのも乙なものである。そして実際、主人公らと対照的に大衆が期待したカタルシスは21世紀に無かったのだ。そしてあの90年代の余剰はどこかへ消え去ったのだ、ジュリエット・ルイスと共に(エロすぎるし、PJハーヴェイ楽曲カバーはロックすぎる)。
VRの先駆け的なマシーンと、それがポルノに偏るという現実味。BLM問題もこの時からすでに言及されてるし、SFという隠れ蓑を使った社会派なんだと思った。のちに監督が「ハートロッカー」を撮ったと知り納得。