クリプトン星人

まなざしの長さをはかって/正しい距離のクリプトン星人のレビュー・感想・評価

4.5
「気持ちえええええ!!!!!」と思わず脳内で叫んだ。
抽象的に表現されたテーマ、"正しい距離"を保てない者へのド直球なセリフに、随喜の涙を目尻に浮かべ昇天しかけた。
視聴期限残り5日という理由だけで気まぐれに選んだこの作品。
法定ミステリー、是非善悪、繊細な内面描写、似通った構成、主人公との共鳴など。
見事、現ワースト一位映画に輝いた、某『ザリガニの鳴くところ』を鑑賞して間もなく、完!全!に対をなす作品に出会うという魔法のような出来事。"Daigo Umehara"もビックリな背水の逆転劇。疾風迅雷。

幅跳び選手、マン・チン(下ネタじゃないです)への誤った記事に対し、幼い正義感とミーハー心で、訂正依頼メールを書くジョヴァンニは、某ザリガニの批判レビューを書く自分のようで笑う。
蜂のトリビアに聞く耳を持たず、女教師マーラに見入ってしまうのも、また同様。
というか、マーラ役、ヴァレンティーナ・ロドヴィーニが美しくてそれだけでも見た甲斐があったと言える(ポロリもあるよ!)
また、某ザリガニには無い、人間味、細かな気配り、演技、演出は、日常系ヒューマンドラマとして最後まで見ていたかったと思うほど肌感に合った(おばさん好き)
彼らの人生を疑似体験してるかの如く、とても入り込めた。
特に、ハッサン役のアメッド・ハフィアンの影ある演技、笑顔がいい。染みた(出演作皆無)
そして、最後の"彼"には目頭が熱くなった…。

今現在、レビュー数は某ザリガニが2万に対し、この作品は2百。
"正しい距離"を保つことができる人は、偶然にも大体この割合に落ち着くのだろう絶妙な数字で、悲しきかなこれが現実。
結局、本質が大衆に届くことはない自慰映画に変わりはないのは某ザリガニと同じだが、意味合いは全く異なる。
いずれにせよ、細かいことは映画の内容含めこの際どうでもいい。

最後に、飽くまで映画のセリフの引用として、堂々とこの言葉を吐けることに制作スタッフ一同へ感謝する。
"正しい距離"を保てない"カマキリ"たちへ "Motherfucker"