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炎の一族のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

炎の一族(1975年製作の映画)
2.5
[なぜ日本初のルーマニア映画なった…?] 50点

日本で初めて公開されたルーマニア映画だが、本当にチョイスが謎。ダン・ピッツァなら『The Stone Wedding』とか『Lust for Gold』みたいな有名作品を上映すればいいのにと思うが(本作品のLBでの鑑賞者数は驚異の3!多分ルーマニア人でも知らない!)、東欧映画の一般公開は基本的に岩波ホールだけだったことを考えると、極めて"岩波映画(退屈で長い映画)"っぽい本作品は配給者のお眼鏡に適ったのだろう。便乗して言わせてもらうと、ハンガリー映画も『メフィスト』とか『ハンガリアン』とか退屈で長い映画ばかり公開されていて、サボーやファーブリでももっと面白い映画あるだろ!と複雑な気分になる。本作品の舞台は1870年代のルーマニア。1848年の革命の余波によって農民が得たものが、大地主と新興ブルジョワの結託によって消え失せた時代であり、本作品はその終焉を描いている。基本的には"名前"をゲットしたいブルジョワと背に腹は代えられない貴族がうだうだしているだけの退屈な映画なので、実際に観てたらあの固い椅子の低い背もたれに首が千切れそうになるくらい爆睡してだんだろうなと。

ちなみに、U-NEXTにあるのはVHS画質で、手書きの白字幕が右端に出る、極めて見にくい仕様となっているので注意。ダン・ピッツァなら『The Stone Wedding』が人生ベスト級に好きなので、記事を貼っときます。

Dan Pița & Mircea Veroiu『The Stone Wedding』白色の"死"と黒色の"希望"
https://note.com/knightofodessa/n/nf4c775aca579
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