mh

松川事件のmhのレビュー・感想・評価

松川事件(1961年製作の映画)
5.0
戦後最大の冤罪事件――松川事件のセミドキュメンタリー。
この頃、山本薩夫がよくやっていたクラウドファンディングで制作したもの。制作費を募るためのドキュメンタリーフィルム「松川事件―眞実は壁を透して-(1954)」を作って、日本各地で上映して寄付を募ったとのこと。(その作品は未ソフト化らしい。DVD特典に一部映像あったので、どっかに保管はされてる模様)
・名優たちが無償で出演。
・二時間以上の法廷シーン。
・クライマックスに向けて盛り上がっていく異常な熱量。
・みなさんお願いします!と、観客に向けて呼びかける方式。
と、山本薩夫の社会派映画は今回も抜群に面白い。
二審論告のくだりは、こっちも思わず立ち上がってしまう。
今回はラストも決まっているというか、映画は現実時間に追いついて、冤罪が晴れないまま終わったことにびっくりする。
このあと、最高裁となり、裁判結果は史実通りとなる。
「にっぽん泥棒物語(1965)」が、この続きにあたるとのことなので、そっちも見てみようと思う。
公開当時にかなりのひとに見られて、世界にはシネフィルがいっぱいいるのに、なんでこんな面白い映画が埋もれてるんだろうな。やっぱり共産党絡みの映画だからなのかな。
面白かったです!
mh

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