このレビューはネタバレを含みます
代用教員として雇われる13歳の少女ミンジ。
中学も出てないミンジに教師が務まる訳もなく、彼女は1ヶ月の報酬50元と子供を一人も脱落させなければさらに10元貰えると言われお金の為に働き始める。
教師としての教養も自覚も無く、毎日黒板に教科書を書き生徒に写させるミンジ。
悪戯坊主のホエクーとのやり取りも同年代の子供同士にしか見えません。
街に出稼ぎに出たホエクーを探す為のお金の計算を子供達に計算させたり、街へのバス代を子供達と一緒に稼ごうとしたり…
無表情のミンジと素直な表情の生徒達が対照的で、子供達の自然な演技がドキュメンタリーの様でした。
中国の僻地にはこんな学校が沢山有ると思うし、チョーク1本も無駄にしない先生も居るのだと思います。
とても良い物語として描かれてますが、過疎の村と街の生活の違いや貧困の差、小学校から出稼ぎに出る子供や足が速い生徒が才能を見込まれ街に出て行く話など、色んな問題も描かれてます。
それは、何十年も昔の話では無く今も過疎の村での出来事なのだと思うと少し胸が痛く感じました。
最後に、ミンジや生徒が贈られたチョークを大切に使おうと話す場面に、ミンジが少し大人びて見えました。