ストレンジラヴ

フォロー・ミーのストレンジラヴのレビュー・感想・評価

フォロー・ミー(1972年製作の映画)
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「仕事じゃなくても、ずっと君を尾行していたい」
Agreeable!
映画を観る中で最上の歓びは何か?
それは面白い作品に出会うことではなく、繰り返し観たくなる作品に出会うことである。
朝、食卓にいつものように味噌汁が置かれている情景こそが生きる歓びなのである。私はこれを否定するわけにはいかない。歓びの否定は人生における罪だ。

まるでモーツァルトを聴いているようだった。敵味方の関係が巧みに入れ替わり、「どう見てもこいつは探偵失格だ」と思っていたクリストフォルー(演:トポル)が見事な収束に導いていく。

なんでもっと早くこの作品の存在に気付かなかったのだろう…かなり後悔した。
いかにも英国然としたチャールズ(演:マイケル・ジェイストン)の立ち居振る舞いと、それを徐々に軟化させていくベリンダ(演:ミア・ファロー)のバランスは、この2人でないと成り立たない絶妙な関係。

自分の心の奥底から湧き上がる静かな興奮を前に、どうにも心を落ち着けることができない…とりあえずヨーグルトください。ついでにグラニュー糖も持ってきていただけるとありがたいです。

追伸:トポル氏に心からの感謝をこめて