ENDO

男の敵のENDOのレビュー・感想・評価

男の敵(1935年製作の映画)
4.0
裏切り者には死を。異常な怪力を持つマクラグレンが自分の女のために仲間を売って、罪悪感から霧立ち込めるダブリンを彷徨い、散財(パブで客全員に奢ったり、ロンドンに帰りたい毛皮を着た見ず知らずの美女に旅費を渡したり)し、人に罪を着せ、粛清される映画。指名手配されていた朋友フランキーの壁に貼られた顔(隈取したメイク)と実物のフランキーの優しげな顔の差がこの映画の悪意を視覚化する。どうせ破滅しかないと、こちらも承知の上で、3人の刺客を殴り殺し、階段の手摺りを破壊して、階段落ちまでする、その速度に目を奪われる。共同体の掟はいつだって過酷、暴力も辞さない、至上命題は共同体の維持なのだから。
ENDO

ENDO