エリオット

首のエリオットのレビュー・感想・評価

(1968年製作の映画)
4.3
古い作品なので以下あらすじをある程度…

小林桂樹はある程度社会的地位が認められた弁護士。そこに知り合いの伝手を頼って田舎の炭鉱町の婦人が相談に来る。
なんでも旦那が警察に逮捕された翌日の朝に脳溢血を起こして死んだらしい。奥さんは俄かにその事実を受け入れ難く、取調べで暴行されて亡くなったのかもしれないから司法解剖するよう弁護士から働きかけてほしいとのこと。
弁護士は快く引き受けて検察から警察に解剖を要請してもらおうとするがやけに強面の神山繁扮する検事は非協力で、しつこく頼んだら勝手に解剖を済ませて確かに脳溢血だったという調書が出来上がっていた。
権力の横暴に怒った弁護士はなんとか私的鑑定を行おうとするが鑑定医は死体が腐るまでに首だけでも研究室に持ってこいと言う。
資格を棒に振る危険を冒してまで墓を暴いて死体の首を切り取りに行くべきか?そんなことをするのは果たして正義なのか狂気に取り憑かれた者の所為なのではないのか?

実在の事件を元にきちんとサスペンスとして成立させる橋本忍の脚本が冴えわたっている。
同じ「首」なら地味でもこちらの方が面白い…
エリオット

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