Melko

ボーイズ・ボーイズ/ケニーと仲間たちのMelkoのレビュー・感想・評価

4.0
”I think I gotta use the plan.”
“All right!!”

「マーシーが君のこと熱い目で見てたよ!」
「どうでもいいさ」
「そうこなくちゃ!」

お盆に爆走した「ファンタズム」マラソンで撃沈…した、ドン・コスカレリ監督の長編デビュー作
ちょっと監督〜!めっちゃ良い作品作るじゃん〜!!とんでもなく良い一発目じゃないのよ〜。良い!!

ちょっと気弱で鈍臭いけど、恋する主人公ケニー
その親友で、強気で運動神経抜群のダグ
ついて回る疫病神的お坊ちゃんシャーマン

痩せのチビな三人組
基本はケニーとダグの二人のドタバタ劇

まぁ「ボーイズ」とその名についてるだけあって、男子なら更に楽しめただろうな。
だけどわかるよ。わかる。色々と。

とにかくエモい!!
イタズラ、初恋、生き物の死、喧嘩、カツアゲ、失恋、そして反撃!
サスペンスもスリルもない、ただただ平和でエモい10歳の世界。

イタズラは、イタ電のようなスケールの小さいものから、デカい人形を車道に横たえて観察するタチの悪いものまで
手を繋ぐか繋がないかの甘酸っぱすぎる初恋に、突然の恋の終わり
カツアゲしてくるのは、うんと体のデカい悪ガキ やられっぱなしではいけない!殴り返すも効果なく…最後の作戦へ!

少しずつ色んなことを学んでいく主人公ケニーも良かったけど、私はやはりファンタズムでの成長具合を知るダグ役マイケルボールドウィンが可愛くて。
スケボーやローラーブレードが普通に上手くてビックリ。グワングワンカーブしながら走るし、まぁまぁな角度と距離の坂をノーブレーキで下るし…!さすがにハイパー難易度の技は明らかにスタントマンと分かったけど、それでもほとんどをこなしててすごい。
破天荒だけど憎めない、ダグというキャラも面白い。
シャーマンにヤキを入れたら親父が飛んできて、親父監視の中シャーマンにビンタされるも、子憎たらしく腕組みして見上げながら「全然痛くないね😝」の痩せ我慢。笑
親友が恋に悩んでいたら普通は面白くないようなところを、普通に応援するし、なんなら好きな子に振り向いてもらえるようにアピールをアシストするし(ケニーの頭の後ろでピース)良い奴…

個人的な極め付けは、終盤のイジメっ子撲滅作戦。イジメっ子含めた子供たちみんながケニーを追いかけるシーン
決戦前にケニーとダグを「お前らどうせやられるぞ!」と煽ってきたクラスメイト(いじめっ子の腰巾着)の顔に、ダグが走りながら、束になったロープをバチコーン!ってクリーンヒットさせたところで、私は嬉しさのあまり手を叩いてしまいました。笑
やってくれたね!!👍🌟

要らんことしかしないから、あんなにケニーとダグに煙たがられてたシャーマンが、最後の決戦でしっかり役に立つところも、良い!

全ての場面にシャーかかってモヤってたり、各エピソードがぶつ切りだったり、荒く気になるところもあり、
食べ物をすぐ投げちゃったり、度を超えそうなイタズラの数々も、
それが子供時代さ
といわんばかり。そう説明されたら納得するだろうな。

かと思ったら急に死生観の話に。人間は死んだら終わり?天国なんてない?
今を精一杯生きる
子供は未来をつなげてくれる

裸の女に興奮して、でも赤ちゃんの作り方は知らない
死を意識しだす
そんな年齢

ノスタルジー広がる
「嫌な人間には立ち向かうんだ」のセリフと共にラストは3人の後ろ姿で終わり
この作品が日本で人気だったのもわかるなぁ
THE昭和の子供時代

ひっさびさの4.0!!
Melko

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