工藤蘭丸

楢山節考の工藤蘭丸のレビュー・感想・評価

楢山節考(1958年製作の映画)
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これは横浜放送映画専門学院の映画史の授業で観た作品でしたね。私が生まれた年である1958年のキネ旬ベストワンになった木下恵介監督作品。

後にカンヌでパルムドールを受賞する今村昌平版がリアリズムを追求した作品だったのに対し、本作はまるで歌舞伎のような様式美に彩られた芸術的な作品でしたね。両作品とも遠い昔に一度観たっきりだけど、共に甲乙つけがたいような名作だったと思います。

当時の授業で、作家研究みたいなものがあって、私は深沢七郎を研究するグループに入ったので、その時にこの原作や今村監督版の原作にもなっている『東北の神武たち』なども読んだことがあるんだけど、私は当時五月病というか、鬱気味でほとんど学校に行っていなかったので、まともに研究も出来ませんでしたね。

後に、今村監督がこれを映画化するという話を聞いて、もしあの時真面目に授業に出ていれば、もしかしたら今ごろはスタッフとして参加していたかも知れないなあと思って、悔やんだものでした。😅