takanoひねもすのたり

同級生のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

同級生(1998年製作の映画)
3.5
あの演説からの、ジョンとの会話があっての、アネサ・フランクリンのthinkのサビ、Oh freedom〜♪でエンディングなの良い。
君(スティーブン)の未来に幸あれって素直に思えた。

16歳の高校生・スティーブン(ベン・シルバーストーン)が学校のスポーツマンで成績優秀な人気者のジョン(ブラッド・ゴートン)に恋をして両想いになるけど、彼の性指向を知らない両親、周囲の目を気にするジョンの振る舞い、同級生達との付き合いの中で、"同性愛者である自分"を見つめ直していく青春ドラマ。

スティーブンが、両親はともかく、親しい男友達すら秘密にしており、隣人のリンダにしかそれを打ち明けていなかったってのが、わりと彼の心境を写してると思う。
自分の性指向は納得しているし、それなりに順応しているけれど、それを周囲から隠さなくてはいけない状況がしんどくて辛いっていう。
リンダはある意味では部外者だから打ち明けて話せてた存在なんだろう多分。

恋愛面が主軸かと思ったけど、ラストのあの演説を語らせたいがための仕掛けのひとつで、ジレンマに陥るジョンの好感度がどんどん下がる仕組み。

相手に理解を求めるのと、自分の全て受け容れて欲しいっていうのは、似ているけれど、若干違いがあるので(理解はしても受容出来ないことなど現実には山程ある)互いを尊重するのであれば、リンダとスティーブンの関係性が物語の中で一番イーブンだったように思う。

スティーブンの理解者が女性だけ(母、リンダ、ジェシカ)という布陣が多少引っ掛かりはするけれど、それは私がひねくれた見方をしてるだけだと思う。

総じて良い作品だったよ。