似太郎

無法松の一生の似太郎のレビュー・感想・評価

無法松の一生(1958年製作の映画)
4.3
なぜか阪東妻三郎のオリジナル版より先に観た三船バージョンの『無法松』。稲垣浩も戦後、ヴェネチアで金獅子取ってウハウハだった事だろう。(黒澤明並みの巨匠にはなれなかったが)

カラー映像が綺麗。さすがは稲垣浩。抑制された無駄のないカメラワークはマキノ雅弘的な様式美を感じさせる。美術やセットなど明治時代の風格ある意匠を再現しておりパーフェクト💯。

ラストで松五郎の死を直接描いてしまった辺りがちょっと戦前verと比べてくどい感じがする。主演の三船敏郎はどうも品が良過ぎて戦前のバンツマほどはっちゃけた豪快さに欠ける演技。そこだけが不満。

後半の松五郎による太鼓叩きのシーンは戦前verより派手にパワーアップしており迫力がある。松五郎が死に、最後で奥さんの高峰秀子がオイオイ泣くシーンでやはり号泣する。
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