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クリムゾン・タイドのqpのレビュー・感想・評価

クリムゾン・タイド(1995年製作の映画)
3.5
 ロシアの反乱に備えた原子力潜水艦でハンターは艦長のラムジーに副長として選ばれます。しかし、潜水艦内のトラブルでハンターとラムジーの意見が対立し、という話です。

 ラムジー艦長とハンター副長の間に摩擦が起こり、兵器より危ない人間関係がそこにあります。民主主義は守るが、実践しないというラムジーの言葉には反感も覚えますが、一方で素早い対応が求められたり、優秀なリーダーがある場合は民主主義も非合理的なのが難しいところです。

 早い段階で敵と遭遇します。戦闘はあくまでも人間模様の混乱を描くためのきっかけでした。兵器を扱うのはプライドを持った人間たちです。正解がない中では、意思決定は一人に集中したほうが早いけど、複数でリスクを分散させたほうが良いという意味で、艦長、副長の合意が必要ということに納得感がありました。

 通信が切れてしまっているし、判断の善し悪しは結果論でしか分かりません。いずれも祖国や人類を思っての発言、行動ですが、私は火災の中での演習や火災の死因の判断からラムジー艦長のやり方は自分本位のように感じました。艦長に嫌われてしまいそうですね。

 原子力潜水艦の構造と、人間関係が十分に分からなかったのが残念です。今までの人間関係でハンター副長は完全に孤立して戦うかと思ってましたが、ハンター副長を支持する人の気持ちもあって良かったです。あと、副長が艦長の指揮権をはく奪できるなど、副長のほうが艦長よりも権力があるように見え、海軍の規則がわかりにくい面がありました。

 ラストが良かったです。お互いが自分たちの信念、その時の最善を選択していただけで、くだらない足の引っ張り合いではなかったということを改めて感じました。
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