ある喫茶店のある席に座るとコーヒーが冷めるまで過去に戻れる喫茶店があります。過去に後悔があって戻った人たちの話です。
最初から喫茶店で客が騒がしくて驚かされます。喫茶店で過去に戻れると席があるという不思議な設定の説明になりますが、店の人も常連客もその存在は当たり前のように話しています。
過去は変えられないという設定があります。過去に戻る作品だと過去が変わってタイムパラドックスが起こってしまう作品が多いです。序盤では過去を知ることで新しい情報を得て、決心を変え、未来を変えていくことに意味を感じました。
コーヒーが冷めないうちに戻ってくるというのはずいぶん曖昧だなと感じます。でも、全体的にゆったりとした雰囲気がよかったです。記憶障害になっている場合は記憶がある頃に出会える幸せがあります。自分の伴侶が記憶障害なら、未来から戻ってくる可能性があることを知っているなら、何度でも帰りたいです。
ウェイトレスの数は最初からルールを説明などが淡泊だなと思っていました。新谷君の作品を見に行くときに、そういう人であることが分かり、彼女の境遇が気になり始めます。
思い入れのない人でも死んだと思った後に出てくると感動します。過去にいる人は相手のことを思っていて、明るい人ばかりなのがずるいです。
後半になって新谷君の存在価値が分かります。猫に会いに行きたいと言ってたり、数に現在絡んでるときはどうなるんだと思ってました。でも、最後は過去に戻ってきた人が過去に影響を与えてしまっていますので、やっぱりタイムパラドックスですね。
過去だけでなく未来も行けるけど、未来に何が起きてるか分からなくても行く理由があるときがあります。幽霊がい続けた理由は分かりましたが、今までに他にも幽霊がいたのか、あの人が幽霊になっていたらどうなっていたのか気になりました。未来に行ったらタイムパラドックス起こるんじゃないのと思ってしまいました。
過去は変えられなくても知らなかった事実を知ることで未来が変わります。皆が自分の知らないところで自分のために動き、考えてくれると信じることで覚悟ができます。絶対に失いたくないことは何か、自分に問うことができます。
コーヒーで過去に戻れなくてもできることがある、過去は変えられないけど未来は変えられると改めて思える作品でした。