自らは得るものはなく全てを与え尽くしてこの世を去っていったルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
頭の中で鳴る音階と手に体に伝わる振動
ありままの事実 心の音
暗い森を駆け抜け泉に飛び込み星雲と一体となる
ピアノソナタ第8番 「悲愴大ソナタ」の音色が降りてくる
それが聴こえるベートーヴェンが神々しい
生前は何一つ思いが叶わなかった
せめて最後の望みだけでもと恋人への遺言の宛名を探す
「Missa solemnis Kyrie」の衝撃から始まり
誰もいない部屋で「月光」を弾く
ピアノに伝わる振動に耳をあてている 涙が出ます ベートーヴェンの旋律が心と体に触れる
何度も訪れるベートーヴェンの全身を貫く音の津波
そのゲーリー・オールドマンの恍惚とした表情は神です
何故何故この作品が入手困難なのかが心の底から残念です
「セントラル・ステーション」と並んでランキングの付かない殿堂映画
迸る愛情が音楽となり翻弄される
ベートーヴェンによるピアノ協奏曲・交響曲が観ている自分の芯を焦がすように切なくて美しい