Arbuth

ライフ・イズ・ビューティフルのArbuthのレビュー・感想・評価

4.3
前半と後半で落差が大きすぎてビックリ。前半は終始ニコニコ、ラストは涙ボロボロ。この作品に「ライフ・イズ・ビューティフル」ってタイトルを付けるのが最高ですね。

舞台は第二次世界大戦直前〜終盤のイタリア。
前半は長閑で平和なイタリアの田舎町でのドタバタコメディ。監督兼主演のロベルト・ベリーニは本職がコメディアンなだけあって、まるでコントか漫談を観てるよう。さすが。
一目惚れしたプリンセスにラブコールを送り続けるグイド。とってもハッピーでラブリーな作品、と思ってた。前半の最後、不穏なユダヤ人差別のメッセージが出てくるまでは。

後半の舞台は前半の6年後。戦争の終盤、街の中にはあからさまなユダヤ人差別が目立つ。日々それはエスカレートしていき、遂には強制収容所へ…。

DVD収録のインタビューで監督が言ってたけど、テーマは愛で一貫してるとのこと。確かに、前半は男女愛、後半は家族愛だけど、お父さんの息子や奥さんへの限りない愛情は終始変わらない。

よく比較されてるけど本当にチャップリンみたいだなと思った。荒唐無稽なギャグセンスだけじゃなく、『戦争』っていう悲惨さしかないテーマとコメディを組み合わせる巧さとか。悲惨な状況でも前半のコメディタッチを失わず明るさを感じさせる後半、だから余計に痛ましさも感じるんだけど。チャップリンに近いなーと感じた。

あと、音楽が素敵。美しいメロディが作品によく似合ってる。

最後に、ジョズエ可愛すぎる!戦争映画の子役で多分一番可愛いんじゃなかろうか。

あと、ドーラ役のニコレッタ・ブラスキさんは監督の実の奥さんらしい。映画で夫婦の愛を全世界に公開ってどんだけラブラブなんだ。すごいね。
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