YYamada

ライフ・イズ・ビューティフルのYYamadaのレビュー・感想・評価

4.0
【ヒューマンドラマのススメ】
 ~映画を通じて人生を学ぶ

◆作品名:
ライフ・イズ・ビューティフル (1997)
◆主人公たちのポジション
強制収容所に連行されるユダヤ系
 イタリア人
◆該当する人間感情
 楽観、悲痛、誇り

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・1937年、トスカーナ地方の小さな町へやって来たユダヤ系イタリア人の陽気な男性グイドは、美しい小学校教師ドーラと運命的な出会いを果たす。いつも陽気で機転のきくグイドにドーラも心を奪われ、やがて2人は結婚。息子ジョズエも生まれ家族は幸せな日々を送るが、彼らが暮らす町にもユダヤ人迫害の魔の手が迫り、3人は強制収容所に連行されてしまう。
・グイドは幼いジョズエに悲惨な現実を悟られないよう、ひたすら陽気に振る舞いながら嘘をつき続けるが…。

〈見処〉
①人生は、たからもの——
・『ライフ・イズ・ビューティフル』(原題:La vita è bella)は、1997年に製作されたイタリア映画。
・イタリアの俳優ロベルト・ベニーニが監督・脚本・主演を務め、「強制収容所の虐殺」という重いテーマを悲壮さを感じさせない喜劇仕立てとして、息子に対する父親の無償の愛情を描いた感動作品である。
・本作は、第51回カンヌ国際映画祭で審査員グランプリを受賞。第71回米国アカデミー賞(1999)では、作品賞ほか7部門にノミネートされ、作曲賞、本命のトム・ハンクス(プライベート・ライアン)をおしのけて主演男優賞を、さらに外国語映画賞の受賞に興奮したベニーニは、椅子の上に立ち上がり、いくつもの椅子を飛び越えてステージに上がったそうだ(未確認)。
・共演は、実際にベニーニのパートナーであるニコレッタ・ブラスキが妻ドーラを演じ、ベニーニ夫妻と子役のカンタリーニは、撮影に入る前に実際に寝起きをともにしたという。

②結び…本作の見処は?
◎: ロベルト・ベニーニによる底抜けした陽気さが印象的な前半から一転。後半になるにつれてシリアスさが増してくると、ベニーニの明るさの中に、明暗のコントラストが見えてくる。前半に配置した伏線の数々も後半に有機的に効いてくるストーリー構成が大変秀逸な作品。
◎:「悲劇」を「喜劇」で描きながら、ベニーニによる、息子に対する「優しい嘘」を肯定する展開が涙を誘う。 良作の誉れが高い『ジョジョ・ラビット』(2019)と比較しても、普遍的な親子の愛を描いた本作の脚本に軍門が上がる。泣ける喜劇の最高傑作。
○: 本作の前半部を飾るロケ地は、イタリア・トスカーナ州の町アレッツォ。中世の面影を残す、この美しい町をいつの日か訪れてみたい。

③本作から得られる「人生の学び」
・人生で美しいのは「ひたすらにポジティブに生きること」「家族のために尽くせること」
・笑顔は、絶望のなかでも希望を与えてくれるもの。
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