kazu1961

ドイツ零年のkazu1961のレビュー・感想・評価

ドイツ零年(1948年製作の映画)
3.9
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-005 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋敗戦2年後のベルリンを舞台に、強烈なリアリズムの描写で容赦なく描くロッセリーニ監督のネオリアリズモ作品。戦争の悲劇、敗戦後の人々の悲劇、とりわけ主人公の少年の人生を大きく狂わせた悲劇、救いようのないエンディング、そして痛み、見終わった後の後味は。。。

🖋日本人の我々にとっては敗戦後の日本の様子とその生活の苦しさを描写した作品は目にする機会が多いですが、ドイツ敗戦後の人々の生活、そしてその苦しさをここまでリアルに描いた作品は目にすることはありません。

🖋公開当時は正当な評価を受けなかった作品のようですが、大戦に対する歴史観がしっかりとしてきた近年のリバイバルで、ロッセリーニ監督の前衛ぶりが正当に評価されたようです(参考:Wikipedia)。

🖋とにかく敗戦2年後のベルリンの崩壊した街並みが何とも言えない戦争の恐ろしさを醸し出しています。主人公の少年がヒトラーの演説のレコードを外国人に売るシーンで、戦意高揚のヒトラーの演説とこの廃墟となったベルリンの街並みを対比した映像は心に刺さりました。

🖋ロッセリーニ監督の作品として『無防備都市 (1945)』、『戦火のかなた (1946)」と本作を観ましたが、本作がある意味一番強烈で凄い作品でした。。。

😨Story:(参考: allcinema )
第三帝国滅亡後、廃墟となったベルリンを徘徊する13歳の少年エドムンドは、間借りの部屋に病身の父と、身を売って生計を立てる姉と共に暮らし、自分もいくらかの足しにと小銭稼ぎをしていた。軍隊にいた兄が帰還するが、ナチ党員であったことを表沙汰にするのを恐れ、閉じこもってばかりいる。ある日、小学校時代の恩師に会うが、彼は旧軍人の家に寄生虫のように住みつき、未だナチの弱肉強食の理論を振りかざし、エドムンドに父親の毒殺を示唆する。少年はそれを実行してしまうが……。

🔸Database🔸
・邦題 :『ドイツ零年』
・原題 :『Germania Anno Zero』
・製作国 : イタリア
・初公開 : 1948
・日本公開 : 1952/06/07
・上映時間 : 78分
・受賞 : ※※※
・監督 : ロベルト・ロッセリーニ
・脚本 : ロベルト・ロッセリーニ、カルロ・リッツァーニ、マックス・コルペット
・原作 : ※※※
・撮影 : ロベール・ジュイヤール
・音楽 : レンツォ・ロッセリーニ
・出演 : エドモンド・メシュケ、エルンスト・ピットシャウ

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「無防備都市」のロベルト・ロッセリーニが「戦火のかなた」についでベルリン・ロケした一九四八年作品。同年ロカルノ国際映画祭に入賞した。ロッセリーニ自身のオリジナル脚本から、彼とカルロ・リッツァーニ、マックス・コルペットが脚色している。撮影はロベール・ジュイヤール、音楽は「戦火のかなた」のレンツォ・ロッセリーニ。出演者はすべて無名の素人俳優で、エドムンド・メシュケの少年を中心に、エルンスト・ピットシャウ、インゲトラウト・ヒンツ、フランツ・クリューゲル、エーリッヒ・ギュネらが共演する。なお本作品はイタリア語版で、その監修にはセルジオ・アミディが当っている。
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