近本光司

キングコング対ゴジラの近本光司のレビュー・感想・評価

キングコング対ゴジラ(1962年製作の映画)
2.5
「ねえ、ゴジラとキングコングはどっちが強いのかしら?」「ばか、レスリングじゃねえんだから」「そのアイデア買った!」視聴率低迷を打開しようとする製薬会社が日米の雌雄対決という一大スペクタクルを企画する。『ゴジラの逆襲』ですでにその路線は開拓されていたが、異形なる怪物がわたしたちの都市を徹底的に破壊してしまうという災厄の重々しさは鳴りを潜め、全編をつうじてきわめて明るく朗らかなエンターテイメントとして完全に舵を切られている。北極海の氷山で甦るゴジラ。原始人の屯する南の島から運ばれるキングコング。この二体の最終決戦で破壊されるのが観光振興のために築かれた熱海城であるということもきわめて象徴的。はじめてカラーで描かれたゴジラの吐く熱線はブルー。