クシーくん

レプリコーンのクシーくんのレビュー・感想・評価

レプリコーン(1992年製作の映画)
3.2
スターウォーズやハリーポッターのシリーズ作品に数多く出演している事で有名なワーウィック・デイヴィスの代表作…なのだが、日本版のwikipediaのワーウィック・デイヴィス出演作品一覧には全くと言っていいほど何も書かれていない。

他のホラーシリーズと比べると何故かマイナーな本作、確かに他作品と比べると肝心のモンスターが地味。要は単なる緑の小さいおじさんだからだ。
自在に声を変えるとかそれなりに個性はあるけど、メインウェポンは鋭い爪だけ。後は何度殺しても蘇ってくる不死能力。…ウルヴァリンだこれ!

靴フェチという妙な属性を持っている妖精の為、靴を投げつけられると磨かずにはいられない性質を利用して逃げる辺りは面白い。単なるパニックホラーじゃなくて、もっとこう妖精の特質を活かしたコメディホラー寄りにしとけばもっと面白かったかも。実際ワーウィック・デイヴィスはそういう提案をしていたようだが、老害プロデューサーがもっと年配向けを意識してさぁ!とか横槍入れてコメディシーン大幅に削ってリテイクしたらしい。愚かなり。ワーウィック・デイヴィスは体を張って頑張っていて良かっただけになんとも残念。

有名な俳優は余り出ていないが、デイヴィスの他に、主役の一人としてジェニファー・アニストンが出ている。後に大ヒットしたシットコム「フレンズ」に主演して人気女優の仲間入りを果たすが、丁度ブレイク前の頃だろうか。
拝金主義で中途半端なヴィーガンという微妙に嫌なキャラクターを与えられている。彼女に限らず主要人物4人が全体的に余り好ましいキャラクターとは言い難いのが何とも言えない。知的障碍者の取扱いが雑なのもこの時代とはいえなんともはや。

批評家からの評判は「コダック・フィルムの無駄遣い」「『悪い』という言葉に新たな意味をもたらした」など散々だったが、なぜかこの後デイヴィス主演のナンバリングだけで6作、お定まりの「オリジン」「リターンズ」で2作の合計8作品も作られている。猿の惑星かよ。正直そんな繰り返すほど秀逸なネタとは言い難いのだが、何がアメリカ人の心を掴んだのか。謎は深まるばかりである(投げやり)。
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