回想シーンでご飯3杯いける

ニューヨーク1997の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ニューヨーク1997(1981年製作の映画)
3.8
「遊星からの物体X」でも知られるSF/ホラー映画(ちょっとB級寄り)の巨匠、ジョン・カーペンター監督による、もうひとつの代表作。

1997年(この映画が作られた'81年から見れば、近未来という事になる)のアメリカが舞台で、犯罪の急激な増加に伴い、ニューヨーク・マンハッタン島そのものが刑務所に、というちょっととんでもない設定になっている。とんでもないのだけれど、別な見方をすれば非常に分かりやすく、この設定やDVDパッケージの、壊れた自由の女神を見ただけで、どんな映画なのか興味を持つ人も多いんじゃないかと思う。

このマンハッタン刑務所の囚人達が大統領を人質に取り、自分達の罪に対する恩赦を要求。これに対し、警察側は、元特殊部隊要員で、武装強盗の罪でマンハッタン刑務所送りになる予定だった男、スネイクに対し、釈放を条件に、大統領救出のミッションを与える事になった。制限時間は24時間。与えられた武装は、大統領の生体反応をキャッチするレーダー他、かなり限られた構成だ。

ゲーム好きなら、既に知っている方も多いかもしれない。この、まるでゲームのようなストーリーは、かなり多くの部分が、そのままゲーム「メタルギア」シリーズと共通する。何しろ、主人公の名前、スネークからして全く同じなのだ。これについては、同シリーズのプロデューサー、小島秀夫氏が大の映画好きで、「ニューヨーク1997」から多大なインスピレーションを受けて制作した事を公言しているらしい。

その他の影響の系譜として、日本映画「グミ・チョコレート・パイン」の中で、登場人物が「ニューヨーク1997」とジョン・カーペンターについて語り合うシーンが登場。ロックやニューウェイヴが好きな、'80年代の若者の趣味志向の象徴として扱われている。

もうひとつ、これは影響というわけではないのだが、本作の特撮を手掛けているのは、後に「ターミネーター」シリーズや「タイタニック」、そして「アバター」で大きな成功を収める事になるジェームズ・キャメロンだったりする。