ぽんぽこ

彼岸花のぽんぽこのレビュー・感想・評価

彼岸花(1958年製作の映画)
3.6
1958年、当時、田中絹代49歳。
今の私くらいの年齢なのに、貫禄があり過ぎです。
今回も、結婚にまつわる話。
小津安二郎って、同じネタで話が尽きないなぁと感心します。


大和商事常務取締役の平山渉(佐分利信)の娘節子(有馬稲子)の縁談をそろそろ考えないとと思っていたら実は節子は会社の同僚谷口(佐田啓二)とお付き合いしていたのであります。
妻(田中絹代)や妹久子(桑野みゆき)は賛成だが、平山だけは腑に落ちない。
と言うのも、家族に内緒でお付き合いしていて、ある日突然、平山の会社に谷口が訪ねて「結婚のお許しをいただきたい、自分は広島に転勤が急に決まった。時間がない。云々。」知らんがな。急に転勤が決まったのはあんたの都合やん。
そりゃ、いい顔できんわ。順番が違うんじゃないの?
映画の中でいつもならグリーンや黄色のヤカンが映ってるのだが、今回真っ赤なのがやたらと目に付くのは、彼岸花が赤だから?
平山が、河合(中村伸郎)の娘や、佐々木幸子(山本富士子)には、物分かりの良い男性なんだけど、こと、娘の恋愛においては、なかなか寛容にはなれない様です。
谷口は、平山が望んでる様な家柄かどうかはさて置き(後日チャッカリと興信所で調べてるけど)誠実な男性なのであります。
平山が重役で、お金持ちなのよ。      当然のようにお手伝いさんが居るしね。   美容院の予約の電話くらい自分でしろ。お母さんよ。
仕事なんて、しばらく行かなくていいから家で反省しろって、「はぁ?無責任やろ!」くらい言うたれ、節子。
お父様とか言うてる時点で無理だわね。
京都の、おしゃべり佐々木親子。
口が立つ幸子に一杯食わされた平山は、結局、渋々承諾したものの、式には出ないなどと愚痴ってたのですが…。
笑顔を見せる事なくきてしまった平山でしたが、おしゃべり佐々木親子のアドバイスが、ここでは役立ち、急かされるようにあれよあれよと広島の娘夫婦の元へと、向かうのでした。
ぽんぽこ

ぽんぽこ