王冠と霜月いつか

時をかける少女の王冠と霜月いつかのネタバレレビュー・内容・結末

時をかける少女(1983年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

『だって私にとって今日は2度目の今日ですもの。』

オープニングは、原田知世、尾美としのりが星空を見上げるシーン、スキー教室の途中でクラスを抜け出して二人きり…の筈が、突然、高柳良一が現れる。三人は、岸部一徳、根岸季衣率いるクラスに戻る。何故か、高柳良一のスキーが無いので、根岸は、岸部一徳に歩いて降りろと(笑)無茶を言う。このシークエンスずっとモノクロなんですがその意味は…

16歳の原田知世さんの初々しい瞬間を封じ込めた作品。タイムリープモノですが、誰にもその時に戻る事は出来ません。記録映像が一本の映画として残っているだけで。タイムリープなんて、ここ最近(でもないか?)流行っておりますが、1983年の作品ですからね。原作は筒井康隆さんという事で考証もしっかりしている筈(スミマセン未読です)ですが、演技力かな?二人とも新人だし…高柳良一と原田知世がきっかけの理科室に戻ってからの展開は、ちょっとなあというリアリティの無さですが、全て、原田知世の魅力で突っ走る感じですね。

大人になった原田知世に尾美としのりが電話をかけてきてデートに誘いますが、関係は幼なじみから進行していない様です。それは、二人の子供の頃からの記憶を操作した、未来人・高柳良一の責任ではないのか?と思いますが(笑)、直後に、高柳良一とも再会しますが、二人はお互いに気が付かずそれぞれの道を歩いて行きます。
この辺りは、当時の原田知世のファン層よりもっと上の世代向けなエンディングだと思います。

エンドロール、出演者総出演で魅せる『時をかける少女』の歌(歌唱力云々の話は無しで)とラストカットの笑顔だけでも観る価値はあります。そんな映画です。

馬場康夫監督の動画によれば、『復活の日』で制作費宣伝費の使い過ぎてペイしなかった経験を踏まえて作られた、低予算の探偵物語と時をかける少女の併映が角川映画で最も興行収入をあげた作品だそうです。
ちなみに、その後、彼女が久しぶりにスキーに行く作品の監督が馬場康夫さんですね。

ちなみに、ポスト薬師丸ひろ子のオーディションでグランプリが、角川三姉妹の一人、渡辺典子さん、準グランプリが、今作で学級委員役の津田ゆかりさん(お美しい方です)、特別賞が、原田知世さんで、特別賞に入れたのは、角川春樹がタイプだったからだそうです。気持ち悪い(笑)