昼行灯

無防備都市の昼行灯のレビュー・感想・評価

無防備都市(1945年製作の映画)
3.7
雪の中爆走して映画館行ったから1/3くらい寝ちゃって鬱。妻が死ぬとことラスト見れたからまあいっか、拷問シーンの意地を見れなかったのはしんどいが、、。そもそもイタリア人男性の顔が判別つきづらくて、途中まで人物関係がよく分からなかったから寝たのもあるかもしれん

前半何気ギャグ要素多くて笑った。寝たきり老人をでっちあげるために神父がフライパンで殴るのは草。こういう人物像ありきで、ラストが切実に迫ってくるのよな。神父が、そして子供までもがレジスタンスに加担しなければならなくなったという状況が当たり前のように描かれているが、既に無防備都市と化したイタリアの国家としての破綻を思うと民を守らなければならないはずの国がなぜと思う。今のイスラエルやパレスチナの子供たちも同じように危険にさらされているのも思い出さずにはいられない。

ロケーション撮影が多くドキュメンタリーチックだと評されることが多いけど、割とセットも組まれてるのよな。女優の部屋とか壁のグラデーションが均一的すぎて人工的に作られてるのめちゃ分かるなーと思った。でもだからこそ、野外での銃殺シーンや説明もなく存在している荒廃した都市が胸に迫ってくるんかなと。スタジオの中にあるセットは守られていて、照明もコントロール可能で、安全に撮影ができるけど、無防備都市ではそうはいかない。いつ本当のゲシュタポが来るかわかったもんじゃないという状況のなかで撮影されている。つまり外部からの介入の可能性がある内部という構造があるわけだけど、この映画は内部としてのセットを組み立てることで、言わば映画の置かれた状況に対する自己言及を遂げているのだと思った。

あと螺旋階段を上下から見るショットが面白かった。特に階下にいるゲシュタポを上から覗くショットはすごくサスペンスになってた。
昼行灯

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