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夏の嵐のgisujunのレビュー・感想・評価

夏の嵐(1954年製作の映画)
4.0
祖国を愛してやまないアリダ・ヴァリが敵兵に惚れてしまう困った妻を演じますが、敵兵のファーリー・グレンジャーが中々の色男でアリダ・ヴァリがメロメロなんですよ。敵兵の宿舎までわざわざ会いに行くという大胆さ。観ていて痛々しいんですが、不倫ではあるが恋の力って凄いなと思いました。

終盤ファーリー・グレンジャーのある行為に僕は打ちのめされた。さらに追い討ちをかけるように10代であろう女性のシワひとつ無い裸体ヴァリと対比し残酷な現実を突きつける。僕がヴァリなら死にました。

演出は大袈裟でベタなメロドラマではありますが見どころも色々ありました。特に戦闘シーンは驚きました。エキストラの数が半端では無く、ワンフレームに何百の兵士が山を隔てて戦ってるシーンは本当に凄く、まさかこのような映画にこんな戦場を見せられると思わなかった。

あと中尉役のファーリー・グレンジャーの演技も良く、最近観たニコラス・レイ監督の夜の人々ではウブな青年を演じてたのに、この映画ではチャラい役を演じているのも面白かったです。
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