ロックウェルアイズ

アヒルと鴨のコインロッカーのロックウェルアイズのレビュー・感想・評価

4.4
大学へ通うために東京から仙台に引っ越して来た椎名は、ボブ・ディランの『風に吹かれて』を歌いながら荷解きしているとアパートの隣人カワサキに声をかけられる。
椎名は初対面にも関わらず随分とフランクに話すカワサキに、本屋を襲撃して広辞苑を盗む計画を持ちかけられる。
しかし、その裏にはカワサキの悲しい過去があった。

「伊坂幸太郎原作の映画ってどれも雰囲気似てるよな。ほとんど中村監督だからか。」
と思ったら、『重力ピエロ』は森監督でした。まあ、でも似てるよね。
ずっと気になってはいたけど、どんなジャンルの映画なのか全く想像が付かなかった。
うわーやられた!というようなどんでん返しではないが、ある事実が発覚してからモノクロの映像がカラーに変わるところは上手いと感じた。
全体的に非常に上手く作られた作品。
少し笑顔になれてラストはジーンとくる、邦画特有のカタルシスを感じられる良作邦画だった。

⚠️
内容にはなるべく触れないようにするが、ほんの少しネタバレになってるかも。
語りたいことがまとまらないので残りは箇条書きで。
・ブータンの文化をいくつか知ることが出来たのは完全に予想外だった。
・始めに出るテロップも冒頭では意味不明だがしっかり意味を持つことになる。
・濱田岳、こういう観ててイライラする役上手いよな。
・岡田将生⁈若すぎる……
・なんか見たことあると思ったら関暁夫かい。
・ボウリング場での例のシーン、助走ほとんど付けずに走り出してあの距離でぶつかって死ぬか?と思ってしまった。
・警察が無能なことは映画あるあるだけど、ここまで無能な映画は観たことない。
3人組も本当に許せないが、あの世界線の警察って置物かなんかなの?
琴美はなんで警察頼らないのかと思ったけど、そりゃ頼れないわ。
・要所要所で見られる外国人へのあそこまでの冷たい態度は流石にフィクションな部分もあるだろうけど、外国人技能実習生の問題然り、我々は心の何処かで異国の民族と心の中で差別してはいないだろうか。
外国人、HIV患者、ペット……
自分とは違うと弱者を気付かずに差別している部分があるのかもしれない。
色々と考えさせられる映画でもあった。