こぅ

真夜中のこぅのレビュー・感想・評価

真夜中(1959年製作の映画)
4.0
400号レビュー前夜
狙っていた、しょっぱなレヴュー②

デルバート・マン監督による辛口
【ラブ・ストーリー】。

「愛することに自信が持てない女。
愛深きゆえに苦しむ初老の男。
行き場を失った愛は、真夜中に彷徨う。」

ジェリー(フレデリック・マーチ)は、56歳の織物会社経営者。ベティ(キム・ノヴァク)は、同社に努める24歳女子社員。ジェリーは数年前に妻を亡くし、ベティは、離婚したばかり。2人は惹かれ合い、デートを重ね、結婚を決意するが、ベティの前夫ジョージ(リー・フィリップス)が戻ってくる…。

テーマは今でも通ずる【年の差婚】の行方。
本作が貴重だと思ったのは、脚本が凡百のラブ・
ストーリーとは違い、リアルと言うか、甘々
じゃないところ。リアルだからこそ突拍子も無い事
も起こらないし、ラブ・シーンすら皆無だ。
2人の言動(苦悩)も頷ける。
特に後半のベティと前夫とのシークエンス〜
良かれと思ってその事を告げるシークエンスは
見所。

外野が、認めない、止めても結局は、当人同士の
愛だと思うし、他人には分からない、分からなくて
も良い世界だと訴えかける。
彼女のセリフ、「私の人生だから!」に集約されて
いる。
自身の決心なら例え失敗しても悔いは無いと思う
のだ。

ヒッチの【めまい】直後のキム・ノヴァクの美貌を
拝めるだけでも価値がある⁈。

ラストは、あっさり地味だけど【映画的】。
こぅ

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