渡邊輪

ワン・プラス・ワンの渡邊輪のレビュー・感想・評価

ワン・プラス・ワン(1968年製作の映画)
2.5
この映画を見て中学時代に体験した最悪の事件を思い出した。


中学の英語の時間で洋楽鑑賞が決まり、テンション爆アゲ。

CDプレーヤーから「イマジン」。
先生、ナイスDJ。イマジンが嫌いな人はいない。いるとすれば、快楽殺人者か、犬とか猫を虐めるサイコパスくらいだろう。十人十色が集結する中学の1クラスで流すには持ってこいの名曲。この時ばかりは先生を見直した。いつもはつまんないババアだけど、やる時はやるんだなって。

ピアノとともにジョン・レノンが優しく語りかける。

「想像しよう、簡単だよ。」

『ユメッセーイアム…ブチッ「今からプリントを配るので、和訳の穴埋めをしてください。ここは否定形で、うんたら かんたら…」

突然の雑音に自分の全聴神経が悲鳴をあげた。

授業開始から15分後、イマ人は先生によって無惨にも4つのパートに引き裂かれて生気を失っていた。これをバラバラ殺人と呼ばずして何と呼ぼう。


この映画、まさに“そういう”映画。
ストーンズを小出しにして、もっと見たいって時に勉強を挟んでくる。それだけならまだしも、歌ってる時にもラジオの音声を流す。自分の映画表現のために何でもいいから社会に反発的なバンドを使いたかったんかなってゆー。まー、ストーンズの音楽へのリスペクトは感じないわな。制作の姿勢をリスペクトしてるって感じ。
制作過程が見れるからファン必見だけど、忍耐がいる。私のような授業中にコソコソROCKを聴いてた集中力の欠片も無いアホは特に(と自虐しつつ、後悔はちょっとしかしてない!)。同士諸君気を付けてくれ!天才君は安心して見るがよろしい。


他の音楽映画にもよく思うんだけど、音楽なんて大抵10分以内なんだから全部流してくれ、、。ゴダール監督の長尺MVなんて需要しかないと思うんだけどぉ、、、。?


ただ、政治とロックは一心同体、「悪魔を憐れむ歌」がつくられた時代の背景は知っといて損は無い。全て先生のせいにしてはいけないことも分かっている。反省して解説を読み漁ると、ゴダール監督がこの映画で伝えたかったことが何となく分かった気がする。

↓この人の記事が自分的に分かりやすかった
https://hgkmsn.hatenablog.com/entry/2014/12/13/200139
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