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暗黒街のnowstickのレビュー・感想・評価

暗黒街(1927年製作の映画)
3.7
反社界勢力を描いた最初期の映画との触れ込みを聞き、鑑賞したのだが、まあ普通に面白い映画だった。
1927 年というと、アメリカは禁酒法の時代で、密造酒でボロ儲けしていたマフィアが全盛の時代を捉えた、時代性のある映画として見ても面白かった。
単純なストーリーしか表現できないサイレント映画という制約の中で、分かりやすいヒーロー物ではなく、犯罪者に焦点を当てた「善悪が曖昧な物語」を表現したという点も評価ポイントなんだろう。

とはいえ、気になった点で言うと、マフィアのボスが、自ら銀行強盗をやったり、敵対する組のトップを自ら殺しに行ったりする描写だ。普通に考えて、手下にやらせればいいと思うのだが、この時代のマフィアは現場主義なんだろうか?その辺のリアリティはあんまり気にせず、エンタメ映画として作ったという解釈で良いのだろうか?

まあ、ヤクザ映画やマフィア映画好きの僕としては、原点の作品を見たと言う点で、勉強になってよかった。
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