医者から余命わずかと宣告された2人は、病院を抜け出し、海を見るための旅に出る事を選んだ。基本はたったそれだけの話。
ただ、乗り込んだ車は大金を積んだマフィアの車だったから大変。おバカなマフィア2人組と警察が絡む追っかけごっこ、カーチェイス、銃撃戦などを交え、娯楽映画としてもたっぷり楽しませてくれる。
もし、僕がこの状況に置かれても、彼等と同じ事はしないと思う。この映画は、その選択肢の是非を問うためにあるのではない。銃撃戦と言っても、グロなシーンは一切無し。余命わずかなのに、悲壮感やお涙頂戴なシーンも一切無し。
少しずつ死に向かっていく2人を、ただひたすらカラッとした空気の中で描いている点が、この映画の魅力だろう。この感触は、映画のタイトルにもなっている挿入曲“Knockin' On Heaven's Door”(原曲はBob Dylan。この映画ではドイツのミュージシャンが歌っている)と同じである。
ラストもサラッと泣かせてくれる。