回想シーンでご飯3杯いける

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

4.0
医者から余命わずかと宣告された2人は、病院を抜け出し、海を見るための旅に出る事を選んだ。基本はたったそれだけの話。

ただ、乗り込んだ車は大金を積んだマフィアの車だったから大変。おバカなマフィア2人組と警察が絡む追っかけごっこ、カーチェイス、銃撃戦などを交え、娯楽映画としてもたっぷり楽しませてくれる。

もし、僕がこの状況に置かれても、彼等と同じ事はしないと思う。この映画は、その選択肢の是非を問うためにあるのではない。銃撃戦と言っても、グロなシーンは一切無し。余命わずかなのに、悲壮感やお涙頂戴なシーンも一切無し。

少しずつ死に向かっていく2人を、ただひたすらカラッとした空気の中で描いている点が、この映画の魅力だろう。この感触は、映画のタイトルにもなっている挿入曲“Knockin' On Heaven's Door”(原曲はBob Dylan。この映画ではドイツのミュージシャンが歌っている)と同じである。

ラストもサラッと泣かせてくれる。